「自分の仕事だけ」よりも「人の仕事を手伝う」が正しいの?それが成り立つ前提が重要

仕事

会社に所属していれば、1人だけで仕事をしているわけではありません。自分が困っているときは助けてもらうこともあれば、余裕があるときに相手を手伝うこともありますよね。

私も新入社員のときに上司に

自分の責任範囲にとらわれずに仕事をしなさい

と言われたのを覚えています。

基本的には私もこの考えに賛成なのですが、どんな状況でも正しいというわけではなく ”成り立つための前提条件” があると感じています。

それを理解しておかないと、知らないうちに同僚から嫌われていたり、自分がイライラしてしまったりすることがあるので注意しましょう。

この記事はこんな人向け
・自分の仕事だけこなせばダメなの?という人
・他の人の仕事を積極的に手伝っているのに評価されないという人
・人の仕事を手伝って、自分の仕事を増やしてしまう人
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目指すべき考え方ではある

うまく機能すれば複数人で仕事をしたときのパフォーマンスを最大化する考え方であるのは間違いないと思います。

最近、研修の中で ”集団” と ”チーム” の違いというのを考えたのですが、得られる全体の成果として

集団:個人の成果の足し算
チーム:個人の成果の足し算+α

となるというものでした。+αと言っても分かりづらいので簡単な例として、AさんとBさんで仕事をする場合を考えてみます。

各自の仕事として、1~5までの工程があります。
Aさんは1の工程が得意で早く、2の工程が苦手で遅いです。
Bさんは1の工程が苦手で遅く、2の工程は得意で早いです。

このような場合、Aさん、Bさんがそれぞれ1~5の工程をやるよりも、

Aさんが1の工程を2人分まとめておこなう
Bさんが2の工程を2人分まとめておこなう
3~5の工程はAさん、Bさん各自がおこなう

のようにしたほうが全体の成果は上がると思いませんか。

上記は、簡単にするための例ですが、”得意なものと苦手なもの”、”忙しいときと余裕があるとき” のようフォローすることができれば、全体の成果は ”個人の成果の足し算” よりも大きくなるはずです。

成立するための前提条件

入社当時の上司の話を守って

  • 手伝って欲しいと言われれば、できる限り協力する
  • 忙しいのにしてれば、「じゃあ今回はここまでは私の方でやりましょうか?」とフォローする

こんな感じでやっていたのですが、上手くいかない場面があってようやく、「手伝って上手くいくためには、自分自身や相手に条件があるんだな」と気づきました。

自分の仕事が最低限できること

まず自分自身に必要な条件は、人を手伝ったことで他の人に迷惑をかけてはいけないということです。言い換えれば、自分自身の仕事はしっかりやりましょうね、ということです。

例えば、新入社員の頃はどんな仕事でもやっていかないと!という思いがあるからか、頼まれたこと全てを受けたりしていませんでしたか?

Aさんから頼まれている仕事しているときに、Bさんから「ちょっとこれお願いできる?」と言われて、「わかりました!」と言って引き受けてしまい、結果的にAさんから頼まれた仕事が間に合わなかった

こんな感じですね。しかも、Aさんに「すいません、Bさんから頼まれた仕事の対応をしていて遅れました」と説明してしまったり、、

これでは、先に頼んだ仕事を後回しにされたAさんだけでなく、自分が仕事を頼んだせいかのように言われたBさんにとっても印象が悪いですよね。

新入社員ではなくても、

「私がやりましょうか」
「あっ、私そのやり方わかりますよ!」

と言ってやたらと人の手伝いをしておいて、自分の仕事終わらずに周りに迷惑をかけている人いますよね。

どちらの例も、手伝うという行為は良くても、自分自身の仕事が出来ていないのが問題です。

「今なら多少手が空いてるな」

「今やってる仕事は明日までに終われば十分だから、調整できるな」

と考えた上で、手伝うようにすべきですよね。

持ちつ持たれつについての考え方が同じこと

次に相手の条件ですが、一方的に ”give”だけを求めてくるような人ではない、ことです。もう少しハッキリとした言い方をするなら”見返りの期待できない相手とはこの関係は築けない”となります。

こう書くと、「見返りを求めるなんて良くない」、「新入社員とかにも求めるの?」と言われそうですが、そりゃ求めますよ。

新入社員研修をする会社としても「早く一人前になって会社の利益に貢献してほしい」と考えているだろうし、新人教育をする先輩も「成長したら自分の仕事を手伝ってほしい」という思いがありますよね。だって、教えている新人が

〜〜先輩は、仕事すごい手伝ってくれるし、そのおかげでの部長の評価もいいんだよね。でも全然感謝してないし、さっさと給料の高いところに転職するつもりだから恩返しする気もないんだよね

と影で言っていたらどうしますか?見返りを全く求めないのであれば、その後も変わらず手伝えるのでしょうが、私なら絶対に嫌ですね!

私が求める見返りというのは、お金の貸し借りのように同じだけ返してもらわないと納得できない というものではありませんよ。新入社員にかかわらず後輩であれば、手伝ってあげることのほうが多くなるのは当然です。”自分の業務を調整しながら10手伝ったとして、今度自分が本当に忙しくて仕事が回らないときに3手伝ってくれた” ような場合も十分に見返りがあったと感じますよ。

ちなみに、新入社員や後輩のような経験が自分よりも少ない相手ではなくても当てはまります。他部門とのやりとりで

~~~の件、いつまでなので対応お願いしますね

ちょっと今忙しくて、いつまでの対応が難しそうなんですが、、

急ぎでもあるので、それでは今回は私の方でやりますね

ありがとうございます、助かります

<次回>

~~~の対応お願いします

えっ、その部分の対応は、前回そちらの部門でしたよね?同じようにお願いします

こんなやりとりと同じような経験をしたことがある人はいませんか。しかも、こういう人は、その件だけが特別そういった対応だったというのではなく、他の場面でも同じように振る舞い、仕事を他の人に押し付けてくる気がします。

お互いにカバーしあう、give & take」という考えが共有できていればいいのですが、そうでない相手に対してだと、自分の仕事だけが増えていきイライラが貯まるだけになってしまいます。

そうやって押し付けられた仕事も、結果的に自分の仕事の幅を広げることができるからいいじゃないか」という人もいると思います。その考えは素晴らしいと思いますので、ぜひ続けてください!ただ、繰り返しになりますが私は絶対に嫌です!

イライラしないための3回ルール

お互いにカバーしあう関係を作るためには、自分からgiveをしていかないと始まりませんし、giveをし続けるとイライラしてしまいます。そこで私が考えているのが ”3回ルール” です。3回くらいまでは見返りがなくてもカバーする という考えです。

手伝ってもらったから、こちらも協力したいと思ってもすぐにその機会がないこともあります。

  • すぐに自分が手伝えることがない
  • 忙しさが継続していて、協力する時間が取れない

のような場合もありますからね。3回という数字に深い意味はありません。相手の考え方がなんとなく分かるかなというのが、私の場合は3回くらいの時間というだけです。

もっと早く相手の考え方は見えるよという人は2回までのように回数を変えてもいいですし、回数みたいな考えはちょっと合わないという人は回数にこだわる必要はないと思います。大切なのは、自分がイライラしない範囲でできる方法を考えるということです。

まとめ

今回のまとめです。

自分の仕事だけでなく、人の仕事を手伝うことは全体の成果を上げることに繋がる
ただし、
・自分自身の仕事が最低限できること
・カバーしあうという考えを相手も持っていること
が成り立つための条件

カバーしあうことで成果はあがるとは思いますが、カバーしあわないと仕事が回らないとも思いません。お互いが自分の責任範囲の仕事をきっちりすれば成立するはずです。

カバーしあわないといけない という考え方にとらわれて、「なんでこの人は自分は手伝ってもらうくせに、こっちの仕事は手伝ってくれないんだ」とイライラするのであれば、「この人は考え方違うのね。じゃあお互いの仕事をきっちりしよう」と考え方を変えて付き合うようにしてみてるのがいいんじゃないでしょうか。

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