サラリーマンの収入といえば給与やボーナスです。生活に直結するため、”今年はいくらくらい昇級するのか”、”今回のボーナスは給料何ヶ月分かな” と気になりますよね。
その昇級やボーナスに大きな影響を与えるのが評価面談です。半年、あるいは年に1回上司に対して自分の働きをアピールする場で、適正な(出来ることなら、いい)評価をしてもらうための重要なイベントと言えるでしょう。
ですが、この評価面談が苦手という人は多いのではないでしょうか。今回は、評価面談で正しく自分をアピールできるようにするための 株式会社”自分” という考え方について紹介します。
評価面談のよくある失敗
会社によっては評価面談での自己アピールによって評価が大きく変わることもあります。それだけ重要とされる評価面談について、そもそもの目的と失敗例を見てみましょう。
評価面談の目的
面談を受ける側からすれば、「私のやったことを評価してくれー、給与を上げてくれー」が主目的ですが、面談を行う上司にも目的があります。
・目標に対する成果をアピール
・反省点の報告と、「どうすべきだった」のかの確認
・業務上の悩みなどの相談
・上司の思っている評価と、部下の自己評価のすりあわせ
・働きに対するフィードバック
・進むべき道を共有してのモチベーションアップ
意外と上司側も気を使うというのが分かりますでしょうか。それを踏まえて、よくある失敗を見てみましょう。
上司が面談で知りたいポイントについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので興味のあるかたはご覧ください
反省ばかりのマイナス思考
自分に厳しすぎる、描いている理想が高すぎるなどの理由から
■~~~の仕事が日程通りにいかず遅延してしまいました。
■ーーーの件で、チームのみんなに迷惑をかけてしまいました。
■自分ダメっす。
のように自分の働きを全否定するかのようにマイナスの自己評価ばかりつける人です。正直なのはいいことですし、反省点を話して上司と一緒に「どうすればよかったのか」を話し合うことは必要ですが、”あれもこれもダメでした” では困ります。
ちゃんと働きを見てくれている上司は、「そんな悪いとこばかりじゃなかったぞ」と言ってくれるとは思いますが、本人がマイナスだらけの自己評価をつけているところに対して、大きくプラスとするような評価はつけづらいですよね。
例えば、5段階評価で厳しめの自己評価をつけていたときに
→これはあります
自己評価1に対して、上司「かなりいい仕事してくれてるから5をつける」
→なんてことはありません!
自己評価が高すぎる
反対に、自分に甘く、
■~~~の成果をあげました。
■ーーーのプロジェクトではうまくまとめあげました。
■今期の目標すべて達成しました。
■自分すごいっす!
のように、とにかく自己評価が高い人です。
プラス思考なのはいいことですが、実際の働きが伴っていないとイタい人ですよね。上司の目的を思い出して欲しいのですが、
自己評価とずれた厳しいフィードバックをするのは心苦しい。
すでに「自分すごいっす」と言ってる中で、モチベーションを維持させたままで正しいほうへ導いていくのは難しい。
どれも悩まされるのが分かりますよね。
また、これを続けていると正常な評価もされなくなってしまう可能性があります。例えば
(例1)
プロジェクトをうまくまとめあげました!
ん?Bさんと二人でプロジェクト管理をしていたし、どちらかと言うとBさんがメインで動いてなかったか?
(例2)
期初に立てた目標をすべて達成しました
あれ?期初の目標として挙げていた~~~の仕事は手が回らずCさんに全てお願いしたよね?
なんてことが続くとどうでしょうか。狼少年の話じゃないですが、本当に自分でやった成果であっても、「本当に全部自分でやったのかな?」と思われるようになってしまい正しい評価すら得られなくなってしまいます。
評価面談の考え方
では、失敗しないようにするためには、どのような考えで評価面談に臨めばいいのでしょうか。
目標を明確に立てておく
ん?評価面談の考え方なのに、期初の目標設定の話?
と思うかもしれませんが、その通りです。自己評価が高くなってしまうケースの多くはこれで防ぐことができると思います。
例えば、ある新サービスの契約についての目標を
(1)新サービスの契約を月に2件、年間で24件獲得する
(2)新サービスの契約獲得に力を入れる
とした場合を考えてみましょう。
結果が ”年間契約件数が15件” だったとすると、(1)の目標であれば「達成しました!」とは言えませんよね。しかし、(2)のような目標の立て方をしていると満足のいく成果が出たのか不十分なのかが分かりません。つまり自己評価としてどうとでも言えてしまうということです。
今のは極端な例ですが、過去に自分が立てた目標を見てみると、「いつまでに」、「どのレベルまで」が明確になっていないことが意外とあると思いますよ。
目標を明確にしておくことは、反省ばかりの人にとっても重要です。
悪いとこばかり気になってたけど、目標はしっかり達成しているな
ということに気づくことができます。ただただ「失敗でした、反省します」と言うのと、「目標は達成できたのですが、こういう反省点があります」と言うのでは印象が全然違いますよね。
株式会社”自分” という考え方
アピールが苦手という人は、「会社で働かせてもらっている」、「上司に面倒を見てもらっている」という考えの人が多いように思います。
のように考えたりしていないでしょうか。
立てた目標をしっかりこなすことは当たり前と言うほど簡単なことではありませんし、少しでも目標以上にできたのであればすごいことです。
また、結果としては目標に対して未達に終わったとしても、どういった工夫や課題解決をおこなったのかは、きちんと伝える必要があります。上司からすれば多くの部下の中の一人であり、その全てを事細かに把握しているわけではありませんので、”言わなくても上司が評価してくれる”というのを望むのは難しいです。
じゃあどうすればいいんだ??
というのを解決するためには、株式会社”自分” という考え方がおすすめです。これは私が若手の頃に同僚と話していて「いいよね」と思った考え方で、
での話ではなく
所属している会社 と 株式会社”自分”
という会社同士の商談である
というものです。
取引先が「うちは全然ダメです」と言うと一緒に仕事をしたくなくなりますし、「うちは全部すごいですよ」と言うと胡散臭く感じますよね。
あくまで会社とは対等な関係の取引先であると考えれば、次回からも取引してもらうために ”出来たことはしっかりとアピールし、ミスがあったのであれば改善点を伝えること” が必要だと思えるのではないでしょうか。
入社前はできていたはず
自分のことを会社だと思ったり、会社と対等だと思うのはやっぱり難しい
と思うかもしれませんが、実は会社に入る前はみんな出来ていたはずのことなんです。コネ入社でもない限りは、就職活動の中で面接を勝ち抜いて入社をしていますよね。
面接のときに
大学では特に成績もよくなく、研究も先輩の後を継いだだけです。
サークルにも一応参加していましたが、幽霊部員で目立った活動はありません。
バイトは3ヶ月も続きませんでした。
なんて言って内定をもらった人はいませんよね。勉強や研究、サークル活動、バイトなど大学以外の活動について、話を盛ったりしながらアピールをしたはずです。
もちろん、大学時代の活動とは違って、会社内での仕事は上司も見ています。 ”嘘と言われてもおかしくないほど話を盛る” のはすぐにバレてしまいますのでバランスは考える必要がありますが、基本的には就活面接で出来ていたことをやるだけでいいんです。
まとめ
今回のまとめです。
所属している会社と株式会社”自分” の商談だと考える
入社前の就活面接のことを思い出す
直属の上司が評価面談を行うのであれば、成果や勤務態度、人柄もそれなりに把握しているので、「この人は謙遜して言ってるな」や「この人は自己主張が強いな」というところまで評価に含めてくれる可能性はあります。
しかし、直属の上司ではなく、もう1段上の部長などが面談をおこなうような場合では、普段の仕事ぶりを間近で見ていないため、評価結果に対する自己アピールの影響度合いは大きくなります。
また、ある程度の等級(役職)になると、関係部門や取引先と直接やりとりをすることが増えてきます。関係部門の協力を取り付けたり、取引先とのやりとりを円滑に進めるためには、自分やチームの成果や課題を正しく把握し、それを説明できる必要があります。
つまり、”評価面談での自己評価(成果や課題の把握)やアピール力(説明力)” 自体が業務にも求められる能力となるのです。その能力がないと判断され、重要な仕事も与えられずに評価も上がらないという悪循環に陥ってしまわないように、評価面談で正しくアピールできるようになりましょう。
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