今日から新年度ということで、昇格する人も多いでしょう。しかし、なかには反対に降格を言い渡される人もいます。
降格されてしまうと、給与も下がりますし、仕事上の権限が減ってやりたいように出来なくなることもあります。何より、自分の仕事が評価されないことでモチベーションが下がってしまいますよね。それでは
今回は降格の少ない会社のメリットやリスクについて紹介していきます。
降格が少ない会社のメリット
そもそも降格が全くないという会社はあるのでしょうか。これはほとんど無いと思います。
就業規則などに昇格についての要件は書かれているのに、降格については書かれていなかったり、はっきりと ”降格はありません” と書かれている会社は珍しいでしょう。
しかし、実際に降格されるようなことはほぼ無いに等しいという会社はあります。
労働組合がしっかりしている
大きな会社であるほど降格人事は少ないと思います。それは労働組合がしっかりしていることが多いからです。
会社の経営側と従業員では力関係が大きく違います。賃上げ、賞与の交渉など、従業員1人1人が会社と行うわけにはいきませんし、かと言って会社が一方的に都合のいい条件を決めても困りますよね。
そこで、労働組合として団体交渉することで、賃上げや労働環境の改善を会社に求めるたり、他にも不当な解雇などから従業員を守ってくれたりもします。
日本ではほとんどないですが、海外では労働組合の要求に会社が応じない場合にストライキなどの実力行使に発展したりもしますよね。
不当な降格を防げる
降格が簡単に出来ないということは、不当な降格を防げるという言い方もできます。
上司の気分次第での降格
評価を行う上司も人間なので、部下に対しても好き嫌いはあります。仕事の成果は同じくらいだったとしても
- 業務中の態度や言葉使い
- 愛想がいい
- 仕事を頼んだとかに率先して動いてくれる
などで印象は変わるので、”上司に気に入られると昇進が早い” というのは今でもあるでしょう。
しかし、降格や減給は生活を脅かしたり、モチベーションを大きく下げることになるため、”少し気に入らない” なんかで降格されたりしてはたまりませんよね。
降格される心配がなければ上司の顔色だけを伺って仕事をする必要がなくなり、存分に力を発揮できるかもしれません。
降格が無いという会社でなくても、就業規則などで
- 複数回続けて基準以下の評価となること
- その後、業務指導を行っても改善しない場合
によって初めて降格処分となるように、簡単に降格出来ないようになっている会社が多いはずです。
挑戦しやすくなる
その時々の成果によって簡単に降格が出来てしまうと、挑戦がしずらくなります。
銀行を舞台にした某ドラマではありませんが、一度のミスがあると出向させられてしまうような環境では、新しいことや難易度の高いことへ挑戦したいとは思いませんよね。
冒険をせずに、とにかくミスをしないように働く人ばかりになってしまいます。降格がないということであれば、思い切った挑戦をすることができ、会社にとってもいい結果に繋がるかもしれませんよね。
昇格しずらいというリスク
降格がなければ個人としてももちろんいいし、新たな挑戦を生んだ結果会社としてもプラスに働くのであれば降格なんていらないと思うかもしれませんが、違った見方もできます。
給料の原資は変わらない
会社には、新入社員や若手社員から、課長、部長までさまざまな役職の人がいます。そして、その役職(や年齢など)によって給料も変わりますよね。それでは
全員の給料が部長職相当になってしまったとしたら、おそらく会社の経営は立ちゆかなくなります。
経営を考える上では、支出がどれくらいになるのかを考える必要がありますから、毎月決まって発生する人件費がどれくらいなのかも見込んでいます。
仕事を頑張っているのであれば、みんなどんどん昇進させていきましょう
なんていうわけにはいかないんですよね。
実力があっても昇進できない可能性
たとえば会社の中にこんな人はいないでしょうか。
あの人、10年以上先輩なはずなのに自分より仕事できないんじゃないか
どうしてあの人が係長で私よりもずっと給料が高いんだろ
どの会社にも少なからずそう思ってしまう人はいますよね。
・昔から仕事ができたわけではないが、年功序列で係長まで昇進した
などが考えらるわけですが、本来給料はいま現在の働きぶりによって支払われるべきですよね。ですが、
いま現在自分のほうが仕事ができているんだから、係長の給料を減らして自分の給料を上げてくれ
なんてことが叶うわけがありません。あくまで係長は、係長としての給料をもらい続けます。
降格が無いということは係長から平社員になることはありません。かといって、この係長が課長に昇進することも無さそうですよね。ということは、この係長が辞めるまでそのポストがあかずに昇進が見送られる可能性があります。
飛び抜けた実力があれば、その部署でのポストが埋まっていても配置転換されての昇進もあるかもしれませんんが、その係長よりも多少は実力がある程度では、昇進しないまま勤続年数だけが経っていくことになるかもしれません。
これから入るなら
降格があったほうがいいかどうかは立場によって変わります。
先ほど登場した係長の立場からしたら、降格のない会社のほうが都合がいいですよね。懲戒処分を受けるように行為をせずに、最低限の仕事をしていれば定年までそこそこの給料をもらい続けることができるからです。
しかし、これから入社する人にとってはどうでしょうか。「給料は初任給のままで構いません」と思って入社する人はいませんよね。仕事を頑張っていけば、昇進もして給料も上がっていくことをイメージして会社に入るのだと思います。
そのときに
・仕事のできない(やるきのない)上司や先輩が多く、頑張っても昇進できない
だと、どちらのほうが実際に起こりそうな気がしますか。自分の身に降りかかったときにダメージが大きいのは前者でしょうが、出会う確率という点においては後者が圧倒的に多いはずです。(昇進できないとまで行かなくても、上がつまっていて昇進しずらいなどはどこの会社でもある話です)
- 仕事を頑張って評価されたい
- ひどい上司に付いてしまった場合は転職すればいい
と考えられる人にとっては、”降格の少ない会社” が働きやすい会社とは言えないのではないでしょうか。
まとめ
今回のまとめです。
・上司の気分での降格などがないというメリットがある
・実力が反映されず、昇進がしずらいというリスクがある
降格が少ないというのは、自分が降格される立場だと考えるとプラスのイメージしか無いと思いますが、自分が新入社員や若手社員の立場から考えると必ずしもいいとは言えないのです。
とは言っても、外資系でもないかぎり、成果によって降格や解雇が普通にある会社というのはそれほど多くはありませんし、”うちは降格処分がしっかりあります” なんて好評している会社があるわけでもないんですけどね。
しかし、働き方はこれからも変わっていくと思いますので、あなたが入社した会社では降格人事が普通にあるかもしれません。上司や先輩の降格処分があった場合に、”嫌な会社” だと考えるか ”チャンス” と考えるかの参考になればと思います。
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