私の所属している部署にも新入社員は入ってくるのですが、最初に飲みに行かせてもらったときに
ねぇねぇ、転職とか考えてないの?
と聞いてしまいます。
これは別に「すぐに転職なんてしないよな!?」みたいな意味でプレッシャーをかけているわけではないですよ(笑)。本当に新入社員のときから転職を考えながら仕事をしたほう言いと思って聞いています。
”早いうちに転職すべき”という意味ではない
すぐに転職を考えないようにプレッシャーをかけているわけではないと言いましたが、「さっさと転職しちゃえ」と思っているわけでもありません。もし、実際に
まーさんの話を聞いて、探してみたらいい転職先見つかりました。ありがとうございます!!
みたいに言われたら「えっマジで?」ってなりますし、飲みに行くほど仲のいい後輩なら、転職して飲みにいけなくなったら結構凹むとは思います。(自分から転職の話を振っといてあれですが)
転職というのは、せっかく育てた人材が流出してしまうわけですから、会社からしたらあまり嬉しいことではありませんよね。そのため、
- 転職を検討している
- 別の企業から誘われている
- 転職サイトに登録した
といった話を会社ですることは少ないですし、上司に相談することも難しいですよね。
そういった職場環境のため、本当に転職を考えるまでは、”転職サイトや転職活動”はタブーとして蓋をしてしまっている人が多いのが現状だと思います。しかし、転職を意識することや、転職エージェントと話をすることは、個人にとってはいいことばかりですし、会社にとってもいい面があると思います。
業界の中での自分の価値がわかる
会社の中だけで生活していると、”今の自分の価値” や “成長できているかどうか” について会社の中(もっと言うと部署の中)のものさしでしか見ることができません。
客観的に仕事ぶりを見ている上司からキャリアアップやスキルアップについてアドバイスをもらう機会もあると思いますが、あくまでも会社に求められる人材というゴールに向かっての方向性を示してくれることが多いはずです。
この会社ではあまり必要ない技術だから評価には繋がらないけど、業界的には一般的だから時間をかけていいからしっかりと学びなさい!
なんて言ってくれる上司は珍しいですよね。
まずは同業種の友人との意見交換だけでも
大学や大学院まで出て就職した人であれば、同じ研究室の友人の中に「同業種で同じくらいの規模の会社に就職した人」が少しはいるのではないでしょうか。同窓会などで飲む機会があれば、
- 任されている仕事のレベル
- 人材育成の考え方
- 職場の雰囲気
などについて話をしてみてください。同じ1年目、2年目であってもかなり違いがあることに気づくと思います。(言われなくても聞くと思いますが給与やボーナスも)
聞ける友人が少ないと、「自分の会社と友人の会社ではいろいろ違うもんだなー」って感じるだけかもしれませんが、そういった友人や先輩が複数いれば、
あれ?もしかしてうちの会社の進もうとしてる道や、求められる人材って他とずれてるかも?
周りを見るきっかけになるでしょう。
転職エージェントと話してびっくり
私自身は転職の経験がないのですが、転職エージェントからお声をかけていただき、実際に転職先候補となる企業の紹介など話を聞いたことがあります。すでに入社から10年も経過したタイミングということもあり、求められるスキルと、持っているスキルのギャップをかなり強く感じたのを覚えています。
・担当者としてやっているが、自分の年齢ならマネージャーとしての経験が求められる
のように、「ダメだ、自分即戦力にはなれないっす」と自信をなくしてしまうようなことがありますし、反対に
・自社では商品に使用されなかった出願特許が高く評価される
のように「自分やれるかも!」と自信が持てることもあります。(ちなみにエージェントからお誘いがあったきっかけが出願した特許を見てということでした)
こういうことは実際に転職エージェントと話してみないと気づかないままだったと思います。もちろん、業界の標準と多少ずれていたとしても、会社にいる以上はその会社で求められるスキルを習得する必要はありますが、それと同時に業界の中での自分の価値を知り、求められるスキルを知っておくことは
- いざ転職を考えたとき
- 上司が変わって方針が大きく変わったとき
などに対応するために重要だと思います。
会社にとってもプラスになる面がある
実際に転職先が決まって「会社辞めます!」となってしまったら困りますが、転職を意識しながら仕事をすることは会社にとってもプラスな面があります。
中には転職を早いうちから選択肢として持ちながら仕事をしていたために、結果として転職することがなくなるという、一見矛盾したようなケースもあります。
業界のトレンド変化などに敏感になる
上司から「転職考えろ!」と言われたことがある人はいないと思いますが、「最新の業界動向などはチェックしろ!」と言われたことがある人は多いのではないでしょうか。最新の技術に関する情報や、自社や取引先に関係しそうな時事ニュースなどを知ることは仕事をする上で必要なことですよね。
例えば
今の仕事と同じWEBページ作成に関する募集だけど、求められているスキル(プログラミング言語)が自分の使っているものと違う
のように、転職情報を見たことで業界の変化にいち早く気づけることもあります。WEBページのように露出するものであれば、わざわざ転職活動をしなくても知ることができるかもしれませんが
うちの会社、こういう技術を取り入れましたよ!
なんて情報を宣言する会社はありませんよね。もともとは ”業界で求められるスキル” を知ることが目的だったとしても、結果としてトレンドを知ることに繫がることは意外と多いです。
自分のことだけではなく、違った視点を持てる
入社したばかりで「転職したいな」なんて言うと、親からも反対されるのが普通です(まぁ親からしたら、せっかく就職できたのにもったいないんじゃ・・という気持ちもあると思いますが)。親でなく、友人や先輩に話をしたとしても
まだ入ったばかりで自分に合ってるかどうかも分からないよ。3年くらいはがむしゃらに頑張ってみたら?
と言う人が多いと思います。別に悪気があるわけじゃないですし、真剣に考えて言ってくれてるんですよ。たしかに入社した瞬間から自分のやりたいことが出来ることは少なく、ある程度経験を積んでからようやく楽しくなるということもあります。
ですが、がむしゃらにやるだけじゃダメですよ・・。もう少し正確に言うと
3年間のような一定期間頑張れば、いきなり社内の見え方が変わったり、権限が増えたりして、やりたいことが出来るようになるなんてことはないですよ。そこを勘違いしたまま、ただ頑張っていると「言われた通り3年間は頑張ってみたけど、やりたいことができない。やっぱりこの会社は自分に合わないんだ。転職するか。。」
となってしまいます。大事なのは、自分がやりたいことをするという目的に向かって頑張れたかどうかです。
転職を意識すると
- 自分が何をしたいのか
- やりたいことと会社の方針が合うのか
- 今後どういったスキルが求められるのか
- 自分の強みは何なのか
を考えるきっかけになります。
”自分がこれやりたい!!”というだけではなく、”自分の強みを生かせるか”、”会社のメリットとどの程度重なるか”という考えが持てるようになります。
今のままでは難しいけど、このスキルを習得した上で、部長にこういうかたちで提案していけば、自分のやりたい仕事に近づけるかも!
のように考えて仕事をおこなっていけば、転職せずに会社に残ったままでも自分のやりたいことが出来るようになる可能性は高くなります。転職を意識して仕事をしていたことで、やりたいことが今の部署で実現でき、結果として長く働けることもありえるということです。
※それでもダメならほんとに転職しちゃえばいいんです!
まとめ
今回のまとめです。
・転職を意識することで、結果として長く働いてくれるケースもある
・実際に転職されてしまうと、、それは悲しい
転職情報を見て「うちの給与低すぎるー」とだけしか感じないような部下であればあまりいい効果がないかもしれませんが、趣旨を理解してくれそうな部下や後輩であれば、新入社員の頃から転職の意識を持って働くように伝えてもいいんじゃないでしょうか。
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