キャッシュレス決済のみで商売は成り立つか?現金お断りにしたきっかけと準備方法を紹介

お金

クレジットカードや電子マネーのように現金を使用しない決済方法が広く普及しています。最近ではコンビニやスーパーを始め、多くのお店がさまざまなキャッシュレス決済に対応しているため、財布を持たずにスマートフォンとクレジットカード1枚で買い物に出かけることも可能になっています。

そんななかで私が行っている美容室では、支払い方法がキャッシュレスのみ(つまり、現金お断り)になったので、そのきっかけや準備方法について紹介します。

この記事はこんな人向け
・完全キャッシュレス化にするか検討中のお店
・現金おことわりするメリット、デメリットについて知りたい人

支払いをおこなうお客さん側としては、ポイントも貯まるクレジットカードでの支払いを強くおすすめしていますので、興味がありましたらこちらの記事も見てみてください。

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完全キャッシュレス化に踏み切るきっかけと準備

現在でもクレジットカードを含めたキャッシュレス決済に対応しているというお店がほとんどだと思いますので、あとは「現金での支払い対応を辞めます」というだけで完全キャッシュレス化は可能な状態ではあります。

しかし、これまで現金での支払いもあるわけですから、実際に現金お断りに移行するには必要な準備があります。

現金お断りに踏み切ったきっかけ

そもそも、なんで現金お断りにしようと思ったの?

この理由は、やはりコロナの影響ということでした。

そのお店は、近い距離での接客が必要になる美容室ということもあってか、比較的早いタイミングからコロナ感染対策に徹底しているという印象でした。(他の美容室には行かないので実際のところ比較はできていませんが)

マスクやフェイスシールドの着用、入店時のアルコール除菌など、お客さんが来店中におこなう対応はもちろん、お客さんが帰ったあとのイスや室内の除菌作業も必要になります。

その中の1つとして ”支払い時の受け渡しに使用する現金”  への対策があります。支払い時に受け取るだけではなく、お釣りとして別のお客さんに渡すこともある硬貨については、アルコールの除菌シートで1枚1枚拭いていました(紙幣の対応は聞き忘れました)

拭いてはいますが100%対策を防げるかは分からないのと、その作業にかかる従業員の労力を考えたのが、現金での支払い対応を辞めて、キャッシュレス決済のみにしようと考えたきっかけでした。

完全キャッシュレス化に必要な準備

完全キャッシュレス化にしようと決めても

よし、明日から現金お断りして、キャッシュレス決済のみね!

というわけにはいきません。事前に準備をしておこないと、お店自身の経営も、お客さんも困ったことになってしまうからです。

現金での支払い比率の現状把握

まずは現金での支払いがどのくらいあるのかを把握しましょう。お客さんの中で現金での支払いをしている人がどのくらいいるのかということですね。美容室のように ”カットのみ” の場合と “カット、カラー、パーマ” までする場合では客単価も大きく変わるのであれば、売り上げ全体に対して現金での売り上げがどのくらいかというの合わせて把握しましょう。

もともとキャッシュレス決済を利用した人には影響はありません。影響を受けるのは現金払いをしている人や、現金での売り上げに対してですよね。

たとえば

うちのお客さんは高年齢の人が多く、現金での支払いが9割だな

というお店が現金お断りにしてしまうと、影響が大きすぎるのが分かりますよね。

反対に

うちのお客さんはほとんどクレジットカード払い。現金を使うのは全体の3%くらいかな。

というお店であれば影響はそれほど気にしなくてもいいと言えるかもしれません。

売り上げの変化予測

次に考えるのが売り上げがどれくらい下がるかということです。ただし、これについては過去のデータを見たり、計算したりすれば分からず、推測するしかない部分があります。

ん?現金であった売り上げが、そのまま減る金額になるんじゃないの?

と思うかもしれませんが、それは違います。現金で払っていたお客さんの行動としては

現金での支払いが出来なくなったので
・お店に来なくなる
・他の支払い方法に変える(お店には今後もくる)
の2つ

が考えられます。”現金お断りにすると来なくなるお客さんはどれくらいいるか” については推測するしかありません。

美容室であれば、この美容師さんに切ってほしいという固定客も多いと思いますので、他のお店に比べて現金お断りによってお店に来なくなるという人は少ないとは思います。

そして最終的に売り上げや利益に与える金額的な影響は

・来なくなるお客さんの売り上げ全額
・支払い方法をキャッシュレスに変えてくれるお客さんの支払いで発生する手数料(クレジットカード会社への手数料など)
の合計

となります。

完全キャッシュレス化に移行する事前案内

移行するまでにお客さんには、十分な認知をしてもらう必要があります。たとえ「現金おことわりになるなら、クレジットカード払いに変えるだけだよ」という考えのお客さんであっても、案内がないままの状態でお店に行って

えっ、知らなかった。今日現金しか持ってきてないよ。どうしよ、、キャンセルするしかないですか??

なんてことがあると、そのお店に来なくなるかもしれませんよね。

接客時や支払い時などのお店の中での連絡に加えて、SNSでの告知など、”知らなかった” という人を移行前までに0にする必要があります。美容室のように予約をするような業種であれば、予約を受ける際に「現金での支払いに対応していませんが大丈夫ですか?」と確認するのも有効です。

美容室であれば、月に1回程度という人が多く、あまり頻繁に行かないという人でも2、3ヶ月に1回かと思います。そう考えると、移行をおこなうタイミングの3ヶ月前(移行までに1度はお客さんが来店する)くらいから事前案内を行うようにしたいですね。

完全キャッシュレス化の効果と実際の影響

移行した後に実際どのような効果や影響があったかについて紹介します。

予想していた効果と影響

完全キャッシュレス化の目的であった ”硬貨のアルコール除菌” にかかる時間については、狙い通り0になっています。1度の除菌に要する時間は1~2分だったとしても、会計のたびに発生していたことを考えると毎日1時間くらいの効率化になっています。

(参考情報)

お店の売り上げ減少については、想定していたほどの影響がなかったようです。

カット価格などを見ても特別安いというわけでもない(失礼ですが)こともあり、何かしらこのお店を使う理由がある人が多く、”現金ダメなら他行くわ” という人が少なかったのかなと思います。

売り上げについての影響度合いは、お店によって大きく変わると思いますので参考情報としての扱いとさせていただきます。

予想していなかった効果

お客さんやスタッフに関係するものではないですが、現金を一切扱わないことで得られる経営者にとっての効果があったようです。

1日の営業が終われば、その日の売り上げを集計し、レジ内の現金も数える必要がありました。また、お店に売り上げを置き続けるわけにいかないため、ある程度現金が貯まると銀行へ預け入れに行く必要もありました。これらの作業が一切なくなることになります。

(小ネタ)”現金での支払い非対応” や ”キャッシュレス決済のみ” とお店の前に貼っておくと、「現金がお店に一切無いですよ」と言ってるのと同じなので、泥棒対策になるんじゃないの!と思いました。

まとめ

今回のまとめです。

完全キャッシュレス化は売り上げの変化予測が必要
事前案内は十分な期間を取るようにする

個人的な感想ですが、”完全キャッシュレス化します” というのは好印象です。多少なりとも売り上げが減る危険のある対応をしているということは、それだけ感染防止を考えているんだろうなと思うからです。

”完全キャッシュレス化に踏み切ったのに、お店の中では店員さんがマスクもせずに接客している” なんてことは無さそうですからね。そういう意味では、コロナに対する不安がある人にとっては、安心感を与える対応と言えるのではないでしょうか。

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