子供はいろいろな言葉を覚えていきます。その中には、”なんでそういう言い方をするのか” のような、背景やもともとの意味がよく分からないまま覚えてしまっている言葉もありますよね。
そこで覚えた言葉を子供なりに解釈して応用したりします。言葉の背景を知っている大人では想像できないような応用をしたりして驚くこともあるのですが、思いっきり間違った応用の仕方をすることもあります。
今回はそんな例を2つ紹介します。
よそはよそ、うちはうち
幼稚園になると同じ年齢の友達と話をすることが増えていきますよね。遊びやテレビの話もしますが、
- パパやママの話
- おうちの話
などもするようになります。
他の家庭と全く同じにはならないよ
大人同士であれば生活水準の違いがあることも理解しているために、聞かないし、話さないようにしていることでも、子供達は気にせずに話をします。たとえば、
- おもちゃをどれだけ買ってもらった
- 旅行に行った
- お庭のあるおうち
などですね。
「~~ちゃんはあのおもちゃ買ってもらってたよ、私も欲しい」のように、友達も買ってもらっているから自分も買ってと言ったり、「ーーちゃんのおうちはお庭にブランコがあるよ、どうしてうちには無いの?」のように他の家庭と違いがあることを聞いたりしてきます。
そんなときに答える定番のセリフが
よそはよそ、うちはうち
昔からこれに尽きますよね。
もちろん、この言葉を何も説明なしに使ってしまうと、「いろんなことに対して、うちだけ我慢をしないといけない」のように感じさせてしまうので、
他の人が持っているおもちゃ全部を買ってあげることはできないよ。反対に~~ちゃんは持ってないけど、かっちが持っているおもちゃとか絵本とかもあったりするんじゃない?
のように、いい面だけを見たら負けてるように思えるけど、違いがあるだけでどちらがいいとかじゃないんだよということは伝えるようにしています。(実際の生活水準が負けてる可能性はもちろんありますけどね)
家庭の話だけでなく、個人の話としても応用
この言葉を正しく理解してくれているなと感じ例として
- 「そうじゃない人もいるかもしれないでしょ」
- 「~~ちゃんは違うかもしれん」
- 「みんながそういうわけじゃないよね」
のようなセリフが娘の口から出てくることがあります。
”よそ” と ”うち” はそれぞれの家庭の話ですが、もちろん個人同士の話としても通じることですよね。
家族構成や、収入の水準が違うだけでなく、今後は
- 幼稚園が違う
- 学校が違う
- 出身が違う
- もしかしたら国籍も違う
のように育った環境の異なる人と出会うことも多くなってきます。環境が違えば考え方にも影響するため、今後はますます ”自分と異なる” と感じることが増えていくでしょう。
そのときに、「あの人は自分と違うからおかしい」ではなく、「人それぞれ違いがあるのが当たり前だよね」と考えられる土台が出来上がるのはいいことですよね。
野菜を食べない言い訳にはならないよ
いろんな考え方があってもいいと考えるのはいいことなのですが、”やらなければいけないことを、やらない言い訳” として使うようにもなります。
うちではサラダなど小皿に取り分けることなく、大皿で食卓に置いています。野菜はしっかり食べてもらいたいので、パパやママはその大皿から ”娘に食べて欲しい分は残すように” 食べていきます。パパとママがある程度食べた後で
かっちサラダほとんど食べてないんじゃない?パパとママは結構食べたから後はかっちの分だよ
と言うと、「食べなくてもいいんだよ。食べたいかどうかは人それぞれなんだよ」と返してきます。食べたいかどうかはいいとして、食べない言い訳にはならないんですけどね。
”いろんな栄養を摂るために野菜は食べなくてはダメだよ” という話はしていて、ある程度は理解をしているため、最後は結局食べてはくれるのですが、「そんな言い訳に使うようになったか」というのは、イラッと2割、成長を感じる面白さ8割でした。
余談です。”人と違ってもいいんだ” という考え方ですが、ときとして全く矛盾したことを言ってしまうことがあるので注意が必要です。
みんなも出来るようになってるから、かっちもすぐに出来るようになるよ。もうちょっと頑張ろう
みたいに、ちょっと頑張れば出来ることを励ますときに言うことがあると思いますが、”人はそれぞれ違う” という考え方からすると、ちょっと矛盾した言い方ですよね。言葉って難しいです。
ばかって言った方がばかなんだよ
もう1つの例は、親から子供に教える言葉ではなく、幼稚園で先生から教わるのか、子供同士の話の中で出てくるのか分からないけど、誰でも一度は聞いたことがある言葉です。
ばかって言った方がばかなんだよ
聞いたことがありますよね。この言葉は応用はかなり限定的だと思いますし、その応用がきっかけで昨日娘と喧嘩しました。
言ってはいけない言葉という意味?
そもそもこの言葉の意味ってなんなのかを考えてみました。「ばか」というのは言われて嬉しい言葉ではありませんよね。(好きな人から、「バカだなぁ」と言われながら頭をぽんぽんされると嬉しいって人はいると思いますが、それは置いといて)
そういう人に言うべきじゃない言葉を言ってしまうような人のほうが「ばか」なんだという意味で、人に対してばかとか言わないようにしようねってのを分かってもらうための言葉ですよね。
同じ目的の言葉として、娘が幼稚園で覚えてきたのが「バカって言うとカバになるんだよ」というのでした。もちろん、カバになることは無いのですが、面白いですよね。
- 食べてすぐに横になると牛になる
- 早く寝ないとオバケが出る
に似た感じで、そうならないようにしようねという感じの言葉です。オバケが出るとか、鬼が来るとか怖がらせるのは良く無いという意見もありますが、カバになるくらいならその心配もないですかね。
この記事を書こうと思って、同じような言葉がないか調べてみると
「ばかって言うとカバと結婚する」
というのがあるみたいです。”ばか” と ”カバ” は逆さまにしただけなので、カバが同じように入ってくるのは理解できるのですが、結婚ときましたか。”カバになる” のと ”カバと結婚する” のはどっちのほうが嫌か考えてみたんですが、どうでもよくなりました。
怒られたときの返しには使えないよ
応用のほとんどできない言葉だと思うのですが、娘は違う言葉を当てはめて使ってきます。
先日お風呂に入っているときの話です。お風呂の外の人を呼ぶためのボタンあるじゃないですか。「ピロリン、ピロリン、お風呂で呼んでいます」ってなるやつです。
私と娘が一緒に入るのですが、娘が上がるときにそのボタンを押すと、嫁さんがバスタオルを持って迎えに来るという流れになっているのです。昨日はそのボタンを何回も押そうとしたので、
何回も鳴らしたら、うるさいよ
と言うと、「うるさいって言った方がうるさいんだよ」と返してきました。いやいや、その応用はさすがに使えないでしょ、、、
→片付けしなさいって言った人がしなさい
もう寝る時間よ
→寝る時間って言った人が寝るんだよ
歯磨きしたの?
→したのって聞いた人が歯磨きしなさい
どれもダメだよ、、、怒れらたときの返しとしては使えないからね。
ということで、娘の近くで大きく咳払いをして
今パパうるさかったでしょ?
それで、かっちが「パパうるさいよ」って言ったときに、「うるさいって言った方がうるさいんだよ」ってパパが答えたらおかしいと思わない?
と話をしたのですが、納得していないらしくムスッとしたままお風呂を出て、迎えに来た嫁さんのほうにさっさと行ってしまいました。
以前書いたように、わが家では寝かしつけするのは娘の希望制なのですが、喧嘩した日は決まって「今日はママと寝るー」と言われますね。ちょっと寂しくはあるのですが、次の日の朝まで引きずることはないので、寝かしつけは嫁さんに任せてブログを書く時間にさせてもらっています。
まとめ
今回のまとめです。
ちゃんと意味を説明して伝えるようにしたい
覚えたことを自分なりに使おうとするのはいいことですよね。間違った使い方だったとしても、自分で考えるという点で成長を楽しむようにしてあげたいなと思います。
喧嘩はしますけどね(笑)
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