老後に2000万円必要!と騒がれてから、貯金について考え始めた人は多いのではないでしょうか。
2000万円といっても、
- 都心か田舎か
- どの程度の生活レベルか
によっても必要となる金額は大きく変わるので、2000万円を目安にする意味はないのですが、ここまで大々的に報じられると気になってしまいますよね。
ただし、「老後までにいくら貯めないと」と悩む前に考えなければいけないのは、老後って何歳からなのか、つまり
ということです。今回は老後の貯金のことよりも前に考えるべき仕事への向き合い方について紹介します。
いつから老後なの?
老後に必要だと言われる2000万円は目安にする必要がないと書きましたが、そもそも老後っていつからなのでしょうか。
決まっていないことが多すぎる
老後に備えるという考えは大切なことですが、具体的にイメージが出来ていないのであれば、ただただ不安が増すばかりです。
”老後の備え” に限った話ではありませんが
・いつまでに
・どこまで
・(どうやって)
達成するかを明確にすることです。
たとえば、旅行に行く計画を立てる場合、
- 旅行にかかる費用(どこまで)
- 費用を貯める期限(いつまでに)
を決める必要がありますよね。いつまでに貯めればいいかも分からない、いくら貯めればいいかも分からない状態では、貯まる気がしませんよね。
②30歳になるまで150万貯めて世界一周したい
では②のほうが実現しそうな感じがしますよね。
老後の備えということであれば
- 老後とは何歳からなのか
- いくら貯めるのか
に加えて、そのお金をどうやって貯めるのかという手段まで考えられていればいいのですが、何歳からなのかも分からないし、金額も2000万でいいのか分からないでは、”決まってないこと” が多すぎますよね。
仕事を辞めてからが老後?
貯める金額を正確に出すのは、年間の生活費がいくらかかるかを考えることになって
- 結婚
- 子供の人数(や教育費)
によって大きく変わります。
結婚相手が決まっていればある程度可能かもしれませんが、まだ相手が誰になるか分からない段階で子供の人数を考えるのは難しいですよね。そのため、老後の人生は
- 都会に住みたいか、田舎に住みたいか
- 少しは贅沢な暮らしをしたいか、質素でもいいか
くらいのイメージを持っておき、結婚や出産などの転機ごとに見直せばいいと思います。
→それなら2000万よりは少なくても良さそうだな
老後も都会に住んで、旅行や美味しいもの食べたりの贅沢はしたいかな
→それなら2000万よりは多く貯めておかないとな
くらいのイメージです。結婚、子供の人数などが見えてきたら必要な金額を具体的にしていくというかたちですね。
それで、いつまでに貯めればいいの?
現段階で ”いくら貯めるか” が正確に出せないのであれば、せめて ”いつまでに貯めるか” くらいは決めたいところですが、この ”いつまで” について具体的な年齢のイメージが出来ている人は少ないはずです。
「何歳だと思っている?」と聞かれれば、60歳や65歳と答える人が多いかもしれませんが、おそらく多くの人が漠然と持っている老後のイメージというのは ”仕事を辞めたら” なのではないでしょうか。
そうであるなら、老後のことを考える前にすることは「仕事って何歳まで続けるのか」という仕事との向き合い方なはずです。
仕事への向き合い方
何歳まで仕事を続けるかなんて定年次第だから、考えるまでもないんじゃない。
と思うかもしれませんが、そんなに単純ではありません。
定年という概念の変化
”老後の備え” のように、貯めるのも長期的、そこから使うのも長期的なことに対しては、”いつまでに” のほうが重要です。
20歳から働き始めて60歳から老後だとすると、その間は40年です。老後が50歳や70歳のように変化した場合、貯める期間も30年や50年のように変化します。
40 ÷ 30 = 1.33
40 ÷ 50 = 0.8
のように、毎年貯める金額が1.33倍や、0.8倍のように変化するからです。
(年間100万貯める → 133万 or 80万貯めるとなるとかなり変わりますよね)
昔は55歳だった定年も60歳への引き上げられ、さらには65歳への引き上げも予定されているように、定年は時代とともに変化しています。また定年後であっても、エルダー社員や嘱託社員として同じ会社に残って働き続けるという選択肢もあります。
そうかと思えば、会社の経営が悪化したときなどの ”早期退職の募集” に応じて、60歳を待たずに会社を辞めるケースもあるわけです。
定年と言うなら、法律上の定年だったり、会社で決まっている定年とすることは可能ですが
定年 = 仕事を辞める年齢
というのが必ずしも成り立たなくなっているのが現状です。
最近では、会社に属さずにフリーランスとして収入を得たり、副業で収入を得たりするなど稼ぎ方もさまざまです。さらに
・フルタイムではない仕事と不労所得を収入源とする サイドFIRE
といった考え方もあるため、
- 定年
- 仕事を辞める
- 老後
を同じように扱うことができなくなっています。
FIREやサイドFIREについてはこちらをご覧ください。
仕事とどう付き合うか
定年や老後がいつかが分かりづらくなっているため、仕事とどのように付き合っていくのかを考えるのが先決です。
・60歳まではフルタイムで働くがその後は関連にリタイアする
・定年後も嘱託で働き続けたい
・会社勤めは早く辞めて副業と不労所得を組み合わせてサイドFIREしたい
のように、いつまで、どのような働き方をするかによって老後の考え方も変わります。
FIREや60歳できっぱりと働くことを辞めるのであれば、その後は稼ぎは0になってしまいます。収入は年金のみで、それ以外は貯蓄を切り崩しながら生活をしていくことになります。もちろん、FIREの場合であれば、不労所得のように自分は働かずにお金に働いてもらって生活するだけの収入を得続ける必要があります。
嘱託社員となって出来るかぎり長く会社勤めをするのであれば、(定年までよりは下がりますが)収入のある状態が続きます。仕事を辞めるタイミングを老後と呼ぶのであれば、老後が始まるのが遅くなりますから、それ以降にかかる金額の総額は少なくて済みますよね。代わりに身体が資本になりますので、健康のためには多少多めにお金を使ってもいいかもしれません。(FIREする場合であっても健康には気をつける必要がありますけどね)
そして、会社勤めを辞めた後であっても、副業での稼ぎや不労所得が一定でもあるのであれば、老後に必要と言われている金額のハードルはさらに下げてもいいはずですよね。年金以外にも収入源があるわけですから。
副業などで何かしら仕事を続けるのは行うが、今の会社で定年まで働くのは嫌なので、副業収入、株配当などを含めてのサイドFIRE
自分の仕事への向き合い方が決まれば、
- 何歳になったら収入が無くなるのか
- 何歳以降も一定の収入があるのか
が見えてきます。そこまで準備が出来れば、あとは老後どういう生活がしたいかを合わせて考えることで、”いつまでに、いくら貯めればいいのか” を考えることが出来るはずです。
まとめ
今回のまとめです。
いつからが老後と呼ぶのかで準備期間、貯める金額が大きく変わる
老後いくら必要かを教えてくれれば、そこを目標に貯めればよく楽なので報道された2000万円を目指してしまいがちです。
しかし、必要となる金額はどんな生活をするかによって変わります。さらに、いつからが老後なのか、いつまで収入があるのかなど様々な要因も関係しますので、自分にとって必要な金額を考える以外に安心する方法は無いのかもしれません。
今回は、仕事との付き合い方について紹介をしましたので、自分なりの老後に必要な資金を考えるうえでの最初のステップとして参考にしてみてください。
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