足し算、引き算を理解するには、数を数えることができないと始まりません。それはそうなんですが、だからと言っていきなり
- 1と1を足したら2
- 5から2を引いたら3
なんて教えても幼稚園児に理解できるわけもありません。幼稚園児がイメージしやすいもので伝える必要があります。
今回はそんな数の数え方についてのお話です。
はじめに
算数って苦手な人が多い教科じゃないでしょうか。最初に苦手意識を感じてしまうと、その上に新しく覚えることが積み重なってしまい、どんどん嫌いになっていく教科という勝手なイメージがあります。
私は4つ上の兄が算数が好きだったこともあり、小学校に入る前から遊び感覚で一緒に足し算や引き算をやっていました。小学校に入学してからの算数のテストでは、問題が難しいと感じることもなくいい点を取ることができ、その結果が嬉しくてさらに好きになるという好循環があったと思います。
娘も算数が得意になってほしい というわけではありませんが、数に強くて悪いことはないですし、私が教える分にはお金もかからないので試しに教えてみると、足し算と引き算のひっさんまではあっという間に覚えてしまいました(年中の終わり頃です)。
すでに覚えた足し算、引き算までは、
・どんなところで躓いたか
・飽きない工夫
についてまとめていき、ブログが追いついてからはその後の勉強についての経過を報告していきたいと思います。
数の数え方でイメージしやすいのは”お菓子”
子供にとってイメージしやすいのは
- 好きな(興味をもっている)もの
- 身近にあるもの
- 複数あるもの(数という概念がある)
を満たしているものです。例えば、 ”お菓子” や ”おもちゃ”が挙げられます。
足し算はお菓子でもおもちゃでもOK
パパが持っている飴2つと、かっちの持っている飴3つを合わせたら何個になるかな?
と聞いて、一緒に指差しながら数えた経験はどの家庭でもあるんじゃないでしょうか。微笑ましい光景ですよね。
足し算のイメージという点においては、おもちゃに置き換えても問題はないと思います。「パパの持ってる積み木と、かっちの持ってる積み木合わせたら何個かな?」という感じですね。
引き算のイメージがしやすいのはお菓子?
ただし、引き算をイメージするときは、少し状況が変わります。お菓子の場合は
飴が3つあるけど、かっちが1つ食べちゃったら、いくつ残っているかな?
という感じで足し算と同じように伝えることが出来ると思います。これは お菓子は食べたら無くなる がすでに経験している普通のことだからです。
ではおもちゃの場合はどうでしょう。当然ですがおもちゃは食べるわけにはいかないので、同じような言い方をするなら「なくす、隠す、(人に)あげる」などでしょうか。親からすれば、引き算を教えるための例え話ですが、子供は言われた内容をそのまま受け取ってしまうので
って感じで引き算どころではなくなります。しっかり説明すれば理解してもらえると思うかもしれませんが、子供は一度脱線してしまって興味が移ってしまうと、なかなか戻ってはきませんよね。
そもそも、大人ですら「もし、俺が死んだら」や「もし、私が別れたいって言ったら」みたいなことを言われたら、「そんなの例え話でも聴きたくない!!」ってなりますから、子供が好きなおもちゃを隠されちゃう話なんか聞きたいわけありませんよね。
指折りでの数え方
ということで、数の数え方のスタートとしてはお菓子がおすすめです。最初のうちは実際に飴などのお菓子を目の前に置いて、指でさしたり、場所を動かしたりして数を数えるようにすると分かりやすいです。そして、イメージがつかめたら実際にお菓子がなくても、指を折って数えることができるようになります。
指を折っての足し算や引き算のやり方は、こんな感じでできます。
「3+2」
1.指を3本たてる
足す数(今回は2)の分だけ、声に出しながら更に指を立てていきます。
2.「1」と言いながら指を1本立てる(全部で指が4本立っている状態になる)
3.「2」と言いならがら指を1本立てる(全部で指が5本立っている状態になる)
4.足す数の分だけ数え終わったら、指が立っているのが答えになる
「3ー2」
1.指を3本たてる
引く数(今回は2)の分だけ、声に出しながら指を折っていきます。
2.「1」と言いながら指を1本折る(全部で指が2本立っている状態になる)
3.「2」と言いならがら指を1本折る(全部で指が1本立っている状態になる)
4.引く数の分だけ数え終わったら、指が立っているのが答えになる
10や100の位を考えるなら”お金”が最適?
1+2のような小さな数字の足し算だけでなく、少し数字が大きくなっても1桁の足し算であれば指折りで数えることができます。例えば、
7+5=?
のような足し算であっても可能です。答えが10を超えてしまうような場合は、自分の手だけでは数えられなくなるので、パパかママの手で10を作ってあげてください。
「7+5」
1.指を7本たてる
2.「1、2、3」と言いながら指を1本ずつ立てていく(全部の指が立っている状態になる)
3.パパかママの両手の指を全て立てて10を作ってあげる
4.子供の手を全て折る
5.「4、5」と続きから足す数の分まで指を立てていき、数え終わったら、指が立っているのが答えになる
という感じにすればできます。うん、ここまでは大丈夫!
”お菓子”では位(桁)という考えが難しい
7+5のような足し算をすると12という答えが出てくるのですが、10の位とか2桁ということを考えているわけではありません。「9の次の数が10」、「9よりも1つ大きい数が10」と認識しているだけです。
後々、2桁の足し算や引き算をするときには、位(桁)を理解しないと難しいわけですが、お菓子では位(桁)について伝えようとすると途端に難しくなるのです。
お菓子の数が多くなったら数えるたいへんだよね?じゃあ、お菓子が10個入る箱を考えてみようか。10個集まったら1箱できあがりね!
できあがった箱がいくつと、あまったのがいくつって数えたらいっぱいあっても数えられるね・・・!?
こんな感じになりました。うーん、まぁうまく説明すれば、2桁まではお菓子でもいけるかもしれませんね。でも3桁になるともう無理です。
箱が10箱集まったら1ケース、、、もともと位(桁)が分かっている大人であれば理解できるでしょうが、子供からしたら箱が出てきたと思ったら今度はケースという別の考えが出てくるのは困惑してしまうでしょう。
そもそも、お菓子をケースでなんて大人買い、子供はできませんからね。子供がイメージしやすいお菓子を使ったはずなのに、箱やケースを出すと身近なものから外れてしまいます。
位(桁)の説明が簡単なのは、やっぱり”お金”
お金であれば、1円玉、10円玉、100円玉のように位(桁)についての定義が分かりやすいかたちで用意されています。
1円玉10枚 と 10円玉1枚
が等価(同じこと)だとさえ伝えることができれば、そのあとはスムーズにいくと思います。なんで1円玉と10円玉を交換したりする必要があるのかが伝わらないときには、お菓子のときと一部の説明が被りますが
・家に置いておくときは、いっぱいあったほうが嬉しいよね。そのときは10円玉を1円玉10枚に交換してあげるね
という感じで伝えれば、分かってくれると思います。
1円玉と10円玉の関係が分かってしまえば、新しく3桁(100円玉)が出てきたでも ”1円玉と10円玉の関係” が ”10円玉と100円玉の関係” のように硬化の種類が変わるだけです。(少なくとも箱とケースよりは理解しやすいと思います)
また、2桁や3桁の足し算になるときも、「最初は1円玉を足して数えてみようか」、それが終わったら「次は10円玉を足してみようか」のように、桁ごとの計算をする上でも役に立ちます。
まとめ
今回は数の数え方について紹介しました。まとめです。
・位(桁)のステップに進むなら”お金”が伝えやすい
小さい頃からお金について教えるのはいいのか?という意見の方もいるかもしれませんが、テレビを見ているだけでも
- 旅番組では立ち寄ったお店の商品やメニューの値段の表示
- クイズ番組でも賞金額を発表
- 通販番組にいたっては「なんと◯◯円!!」みたいな安さアピール
のようにお金に関する情報はたくさん目にしますよね。それを見た子供から「◯◯円って何?」と質問されたときに、答えないままにしておくことのほうが不自然ではないでしょうか。
”お金に汚い人間”になるかどうかについて、お金について知ったのが早いか遅いかが影響するわけではないと思うので、子供に伝えやすい数の数え方として利用することに対して気にする必要はありません。
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